移動のための条件
 歩くことが困難なお年寄りが、杖をついて歩いたり、車椅子を使って外出するためには、どのような条件が必要でしょうか。
まず、本人の筋力やバランス感覚などの状態が移動に適している必要があります。例えば、歩くためには背もたれなしで座ることができる筋力や、立った状態で体を揺らしても倒れないバランスが必要です。車椅子で移動するためには背もたれのある椅子で分程度座っていられる体力が必要です。
また、何をするために歩くのか、何をしに外出するのか、という目的も必要です。単に体力を低下させないため、という理由ではなく、排泄のためにトイレまで歩いて行く、買い物をしに外出する、といった社会生活を送る上での目的があれば、本人の気持ちも違ってきます。
これらの条件を満たしていないのに、家族が無理に歩く練習をさせたり、車椅子に乗せて外に連れ出したりするのは、本人に対して歩くことや外出することを、苦痛なこと・嫌なことに感じさせ、逆効果となる場合もあるので、注意が必要です。

手すり
おばあさんが手すりにつかまっているイラスト 手すりを選ぶ時には、握りやすさを考えた素材と太さが、大きなポイントになります。金属がむき出しになっている手すりは、特に屋外に設置する場合、冬にはとても冷たくなるので、樹脂でコーティングしたものがよいでしょう。
 手すりの設置場所は、本人がいつも触れいる場所を参考にしながら、本人の利用しやすい場所に設置できれば良いのですが、壁の下地がちょうど良い場所にないことがあります。最近では、下地がなくても手すりを設置できるような補強材が販売されていますし、一体型のユニットバスに設置できる手すりがありますので、屋内ではほとんどの場所に設置が可能です。
さて、手すりを利用する多くの場合、手すりを引っ張る(体を引き寄せる)よりも、押さえつける(体を支える)ようにした方がより楽に動作を行えます。この点を意識して設置場所を決めるこも重要です。また杖を使う場合にも体を支えることが基本となるので、手すりを使い始めたばかりの方は少し意識しながら、体を支える使い方に慣れると良いでしょう。

 ひと口に杖といってもいろいろな種類があります。長さの調整ができるものや、安定しやすいように3点・4点で支える杖があります。また、雪道等で滑りにくいように先端に尖ったアイスピックを付着したものもあります(既存の杖につけるアイスピックもあります)。
 杖の長さは、一般に杖をつく側の足の小指から外側にかつ前にのところに杖をついて、肘が軽く曲がる程度(杖を握った手が、足の付け根の高さにくる程度)がよいとされています。ただし、使いやすさという点では個人差がありますので、いろいろと試してみて一番使いやすい長さを決めてください。

車椅子
 車椅子もいろいろな種類があります。自分でこぐタイプや、人に押してもらう介護用のタイプ。さらに、室内での利用に便利なように小回りの利くもの、旅先でのちょっとした移動に便利な小さく折りたためる携帯用、などがあります。また、普通の車椅子に取り付けることのできる電動車椅子ユニットもあります。
 車椅子を選ぶ場合には、座幅など使う方の体形にあわせるのは当然ですが、使う目的に応じた選択にも気をつけてください。例えば屋内で使用するのであれば、戸の間口や廊下の幅よりも小さいか、小回りが利くか、といった点に注意する必要があります。外出する際に車椅子を自家用車に乗せることがあれば、折りたためること、介護する人に負担とならないような軽さ、などに注意してください。

車椅子
 車椅子もいろいろな種類があります。自分でこぐタイプや、人に押してもらう介護用のタイプ。さらに、室内での利用に便利なように小回りの利くもの、旅先でのちょっとした移動に便利な小さく折りたためる携帯用、などがあります。また、普通の車椅子に取り付けることのできる電動車椅子ユニットもあります。
 車椅子を選ぶ場合には、座幅など使う方の体形にあわせるのは当然ですが、使う目的に応じた選択にも気をつけてください。例えば屋内で使用するのであれば、戸の間口や廊下の幅よりも小さいか、小回りが利くか、といった点に注意する必要があります。外出する際に車椅子を自家用車に乗せることがあれば、折りたためること、介護する人に負担とならないような軽さ、などに注意してください。
車いすのおばあさんと介護の若い男性のイラスト
車いす用電動ユニットの写真 携帯用車いすの写真

その他の福祉用具
 移動に便利な福祉用具には、段差を解消してつまずきや転倒を予防したり車椅子の移動を便利にするスロープや、車椅子に乗ったまま垂直に昇降する段差解消昇降機、階段の上り下りのための階段昇降機などがあります。
 なお、段差解消昇降機や階段昇降機は安価なものではないので、導入の際は利用する方の意向に配慮するのはもちろんですが、理学療法士等のアドバイスを受けられると良いでしょう。また、販売店や施工業者等とよく話し合うことも必要です。

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